コラム

私にとっての震災10年

もうあれから10年ですね。もう10年か、まだ10年か。感じ方はひとそれぞれでしょう。

あの日は守谷市の御所ヶ丘と言うところで15時から行われる地鎮祭の準備をしていました。14時46分、最初は目眩かと思いました。上手く歩けないなと感じてから地震と気がつくまでそれほど時間はかかりませんでした。目の前の建物の壁に亀裂が入り、自転車置き場の鉄筋建物が大きく傾きながら揺れる。遠くの建物の瓦が落ち、自分の車が見たこともないほど揺さぶられていました。

瞬間、東北か?と思いました。前震がありましたからね。揺れが収まると目の前にあるパチンコ屋から女性の悲鳴。そして車のラジオからは東北で震度7。

やっぱり…

妻のに電話をすると神社が壊れているとの報告があり、地鎮祭を中止にしてあわてて神社へ戻る。建物は大丈夫で灯籠などが倒壊。

妻と子供達と神社で落ち合うと茨城県沖の余震。拝殿が右に左にと揺さぶられる。

あー神社が倒壊する!と思ってその姿を眺めていたら、上手いこと揺れては戻りの繰り返しで倒壊しませんでした。

自宅に戻り、ご近所さんの様子をうかがいに行く。停電で情報が入って来ないので車のテレビをつけた瞬間に津波の映像が流れてくる。

ショックな映像だったな…

妻と子供達は常総市の義理の両親の家に避難させて停電の家で一人留守番をしていた。そんな一日だったですね。


その頃は宮司に就任して間もない頃。まだ、36歳かな?今思えばあの出来事を切っ掛け神社が大きく変わっていったな。

ピンチの時こそ物事を大きく帰るチャンスだ、と言うのは今でも変わらないスタンスで、新型コロナでも境内の模様替えや様々な事を進めているけれど、原点はやっぱり震災だな。

震災後、すぐに復旧事業第一期工事をはじめて神社の危険な所を優先順位をつけて直していったっけ。建物の耐震や石碑の移動、そして道路沿いの灯籠を下げたりと。

大変だった。第一期工事で色んなことを学びましたね。業者の選定方法、そして人の意見はこうも違うものなのかなんてね。第一期工事は神社の財産を使い、将来予定している第二期工事は氏子崇敬者の方々にご支援願おうと言うことになっていました。

第一期工事が第二期工事に入る前に文化財指定事業が入りました。これは私が今じゃ無きゃ出来ないと判断して入れました。これも大変な事業でしたがその恩恵は想像以上のものがありました。やって良かった。心からそう思っていますし、今後これ以上の仕事は出来ないだろうなと思っています。

その時に判明したのが、宮神輿が40年おきに修理されていると言うことでした。そして調べるとその年がちょうど前回修復から40年…

これも運命なのかな?

第二期工事に宮神輿の修復が重なってきました。

これは大変な事業になるぞ…

その時に後押しして下さったのはやっぱり総代さんでしたね。色々ありましたが【東日本大震災復興並びに宮神輿総修復事業】として震災修繕の第二期工事は大規模に行われました。

その中に鳥居に新規建立も入りました。

どんどん規模が大きくなる…

最初、不安でした。正直な話し、社家ではない私にとって寄付をいただくと言うのは、私にとっては大変ストレスでした。私には到底出せないような金額の寄付を出して下さる方もいる反面、100円だって出さないぞって怒りながら私に言う人もいる。応援してくれる人もいれば、私を騙そうとする人もいました。本当に眠れない毎日でした。

でも、神社やお祭りは地域に必要なものと思っていますし、何よりも役員さんが本当に私に出来ないことを一生懸命奉仕して下さいましたので、最終的には想像以上の成果をあげて事業が終わったのは神社にお参りして下さった方々なら分かると思います。

震災は私にとって宮司としての覚悟を決めさせるような出来事でした。私にとっての震災からの10年は自分がどういう立場でどのように地域と神社の事に携わり、自分は地域の方々とどのように物事を進めていくのか、そして自分は一人では何も出来ないという事を考えさせられた貴重な期間でした。

そしてコロナです。また、ピンチがやって来ました。事業が終わりゆっくりしようと思っていましたがそうもいきません。ピンチをチャンスに。常に繰り返しです。より良い神社にするために。

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