コラム

神社と持続化給付金

コロナが流行し始めて何月だったろうか?僕のSNSのタイムラインに宗教法人に対する持続化給付金の支給についての署名活動についての情報が入ってきたんだよね。

最初に思ったのは、あくまでも個人の見解だけど無理じゃないだろうか?と思いました。余り知識がなかったので何とも言えないんですが、先ず思ったのは給付するに当たりその現金の原資がなんなのかと言うこと。宗教法人なので公金が支給されるのは難しいんじゃないかなと思いました。

持続化給付金とは分かりやすく言うと、昨年比売り上げ50%減の法人に最大200万円の助成金を支給する制度です。


※厚労省のHPより転載

このコロナ禍で神社の経営は大変厳しい状況になっています。私達の業界は非常に景気に敏感です。コロナで人とモノの動きが止まりました。私の神社でも5月に入り社務が急激になくなりました。それはどこの神社さんも同じようでした。ある会合での話しでは、ある神社さんは社頭収入が昨年比70%減、ある神社さんは観光立地と言うこともあって昨年比社頭収入90%減で皆さん、職員さんが在宅だったり休業だったりしているようでした。

不景気になれば家は建たないので地鎮祭もありませんし、車は売れないので交通安全祈願もなくなります。今回は疫病が流行しているのでお宮参りや安産や通常の参拝もぐっと減りました。昨年までの御朱印ブームはピタッとなくなりました。1年前は令和改元で御朱印が多かったですがコロナでお参りは激減ですね。御朱印に特化していた神社などは大変だと思います。

そして、全国的に例大祭が行われなくなりました。これは神社にとって大変なことです。

秋以降は本格的に地鎮祭がなくなると言われています。これは建築会社さんのお話ですが、夏まではコロナ前から商談があった方々の物件で、コロナ後は先行き不透明感からなかなか購買意欲が戻らないそうです。そして直近の決算では自動車会社は軒並み大赤字ですからね。第二波、第三波、次第では本格的な不景気に入るかもしれません。

以前にも書きました。

私達は皆さんにとって聖職者としての顔が基本でしょうが、反面、経営者でもあり、労働者でもあります。倒産なんてないでしょう?なんて思っているかもしれませんが、神社の修繕や結婚式場などの運営などで借入などしているところは死活問題ですし、職員を雇っている神社などでは雇い止めだって現実問題になりかねません。財政が豊かな大きな神社ではやりくりできると思いますが、中小の神社では厳しい経営判断が求められるでしょう。私の神社なんかは神社界で行ったら中小にもなっていません。

そんな時にまさかのニュースでした。

持続化給付金、宗教法人も対象へ

政府が
「新型コロナウイルスで減収となった中小企業に対し200万円を支給する「持続化給付金」について、政府は、新たに中小の宗教法人を対象に追加する方向で最終調整に入ったことがテレビ東京の取材で分かりました。複数の政権関係者によりますとコロナの影響で葬儀などが大幅に減り、経営が苦しい寺などが増えていることが背景にあるということです。」
と言う一報です。

このニュースを聞いたときに正直あり得るの?って思ったのと同時に法律上認められるならば申請しようと考えました。すぐに税理士さんに連絡して認められたら場合の手続きに関して助言をお願いしました。

ただ、国から宗教法人に公的なお金を入れるには難しい判断が必要になります。

私は難しいだろうなと思いました。持続化給付金について勉強不足だったので分からなかったんですが、個人的に給付金の原資がなんなのか?これにつきるかと思います。後日、持続化給付金の対象拡張のニュースが飛び込んできましたが宗教法人は除外されていました。

理由は憲法89条です。

憲法第89条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

(1) 国、法人税法別表第一に規定する公共法人
(2) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する「性風俗関連特殊営業」、当該営業に係る「接客業務受託営業」を行う事業者
(3) 政治団体
(4) 宗教上の組織若しくは団体
(5) (1)から(4)までに掲げる者のほか、給付金の趣旨・目的に照らして適当でないと中小企業庁長官が判断する者

が持続化給付金の除外対象となりました。様々な意見があったようです。法人税を払っているような宗教法人には事業が縮小してしまわぬように助成したらどうか等ですね。

私と致しましては持続化給付金の不支給はごもっともな事だと思います。同業者の中では何でだと意見もありましたが、これは憲法上仕方がないのではないかと思います。

ただ、持続化給付金が宗教法人も対象というニュースが流れたときにSNSでは様々な批判の意見が散見されました。ご意見は多々あろうかとは思いますが、街の神社もコロナ禍で相当なダメージがあることだけは理解していただきたいな。税金を払っていない連中に助成するなという意見もありました。確かに固定資産税や法人税などは納めていませんが、その他の源泉税や自動車税や諸々は皆さんと同様にお支払いしています。もし、法人税を払っていないから支給するなと持続化給付金で言うのであれば、個人事業主なども法人税を払っておりませんので整合性がとれないのではないか?と言う事になります。

宗教法人に対する持続化給付金の不支給は法人税を払っていないからでは無く、憲法違反になる可能性があるというのであらば私は十分に理解が出来ます。

後日、税理士さんにお願いして持続化給付金についての勉強会を開いてもらいました。大変勉強になりました。不支給でも仕組みを知っておくことは勉強になりますからね。

という持続化給付金のお話でした。

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