さて、祇園祭は大幅縮小となりました。中止ではないです。わかりにくいと思います。今日はそんな話しです。
様々なパターンを考えていました。勿論、延期もです。
私の仕事は仲取り持ち。氏子さんの気持ちをくんで神様に届けるのが仕事です。氏子さんが安心して祭礼が出来ないと言うことであれば神賑行事は難しいです。
ここに至るまでは様々な資料を提案して総合的に判断しています。例えば神社庁、神社本庁より送られてきた新型コロナウイルス感染症に対する指針や茨城県庁が公表している指針、他の神社やイベントなどの情勢等です。会議は沈黙と共に始まりだんだんと意見がまとまり神賑行事の中止となりました。
さて、一般の方は神賑行事といわれても何のことかさっぱりですよね。神賑はかみにぎわいと言います。世の中の神社でも様々な夏祭りが縮小となっています。でも祭礼が中止とは言いません。これ分からないですよね。一般の方は中止って言った方が分かりやすいのに。
祇園祭は中止ではなくて大幅縮小
これは神社特有の祭礼の考え方にあるわけです。神社の祭礼は二つの構成要素があります。一つは神事。一つは神賑行事です。
神事…人の意識が神様に向いている行事で厳粛に行われることが多い
神賑行事…人の意識が氏子又は見物人に向いている行事で賑やかに行われることが多い
ですかね。神社で神職が祝詞を奏上する行事は神事ですし、神輿などは神様が鎮座していますので賑やかになりますが厳密に言えば神事に入るでしょう。神楽なども神様に向かって行うので神事ですし、お囃子などは氏子同士で競い合うようにしますので神賑に分類されるのではないかと思います。
今回のコロナ禍では神賑行事など、人が熱狂し局所に集中する行事に感染リスクがあるとの判断です。神事は行います。なので祇園祭は中止ではないんですね。
この表現は難しいと思います。よく祭は神事とイベントに分けられるとこのブログでも書いてきました。神社の祭の根底は神事です。これは中止になることはありません。連綿と続けられます。宮司一人でも祝詞は奏上します。神賑行事は違います。これは氏子の奉納行事です。氏子の自発的行為を神社が仲取り持ちとして神様にお届けするわけです。時に祭礼は神事と神賑行事が一体となって構成しそれが祭りとして世間に認識されてしまいます。神賑行事は宮司がやってくれと言ってやってもらうものではありません。しかし、祭礼の責任者は宮司です。これが一般の方にはわかりにくいのでしょうね。
神賑行事は多岐にわたります。時にイベント色が強い物なども含まれます。お囃子からカラオケやダンスや舞踊などもそうでしょう。蹴鞠もそうかもしれませんね。
世間ではこれを一色単にお祭りと言われるので何で中止じゃないの?となってしまいます。
まぁこのような理由で世の中の神社では祭礼は中止とは言いません。縮小と言います。さて、今年の祇園祭は大幅縮小となりましたが神前で祈る内容は変わりません。祇園祭の趣旨をご存じだと思います。
疫病退散!
ですよ。
7月25日。いつものように祇園祭の祝詞を奏上します。来年は今年の分もあわせて楽しみ合いましょう。
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