20年も奉職していれば色んな経験をします。
不景気
神社にいると景気の状況が良く分かります。今回はそんなお話です。
過去にリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して金融危機が起こりました。リーマンショックですね。2008年の年末だったと記憶しています。それから長い不景気に入りました。
年が明けて2009年、神社ではどのようになっていったかと言えば、まず、初詣。縁起物と呼ばれる授与品の頒布数が減少します。破魔矢、熊手、達磨なんかが良い例でしょうね。勿論、祈祷も減ります。
次に企業の新春祈祷。これも減り始めます。毎年、初詣に来ていた企業が来なくなりました。この頃になると不景気を実感し始めます。車を運転していると、町中の広告看板が空いているのに気がつきました。
で、2009年2月、地鎮祭などの出張祭典が全く入らなくなります。いや、凄かったですね。本当に地鎮祭が無くなりました。地鎮祭が行われないと言うことは、住宅の着工が減るわけで、そうすればそれに伴う家電なんかも売れなくなります。神社では新車の交通安全祈願が無くなります。建設会社の方からこんな電話を頂きました。
「神主さん、他の会社は地鎮祭入ってますか?」
「いや、全くありませんよ」
と。
それくらい、リーマンショックの時は一気に引けていきました。結局、2009年後半くらいになってからですかね?少しずつ回復していったのは。不景気は凄いなぁって実感しました。
そして、政府が景気対策を始めると一気に動き出すんですよね。住宅減税とかエコカー減税なんかそうですね。住宅減税は締め切りが近くなると駆け込み地鎮祭が増えます。なので政府の景気刺激策って効いていうると思いますよ。
そして、もう一つ。不景気と言うより災害ですね。東日本大震災。この時も仕事が一気に無くなりました。特に地鎮祭ですね。2011年3月から一気に無くなりました。理由は二つありました。一つは自粛です。とてもお祝い事をする気になれないという方がいらっしゃいましたね。もう一つは建築資材不足。建築資材が東北優先になり、着工しても家が建てられないという事でした。
この20年でこの二つの出来事は印象深いです。とくにリーマンショックかな?仕事って不景気でぶっ飛ぶんだなって実感しました。
神社に奉職すると季節の移ろいと不景気に敏感になります。なんでこんなことを書くかと言えば、今年のお正月は縁起物が多く残りました。消費増税の影響かもしれませんし、不景気の始まりかもしれません。
さて、これから日本の景気はどこに向かいますか?神社で感じたことは今年は不景気かも…ていう話しでした。
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