私達の仕事にはお焚き上げと言うものがあります。
皆様から帰ってきた御札やお守りを忌み火をもって焼きます。
皆さんはお正月にお焚き上げするものだと思っているでしょうが、基本的に通年で行っています。でないと古札納め所に溜まってしまいますので。年間通すと大変な量になるわけです。なので溜まったらお焚き上げする。今日もお焚き上げしています。正月飾りが帰ってきて大変です。
過去、一度だけお焚き上げしているときに消防車を呼ばれたことがあります。誰かが通報したんでしょう。通報するなら直接行ってくれれば良いのに。守谷市では野外焼却についてこのように定められています。
もちろん、神社も迷惑をかけないように焼却するように心がけていますが如何せん時代の流れ。除夜の鐘も厳しい時代です。お囃子の音色でも警察が呼ばれてしまう時代です。煙はもっと厳しいでしょうね。
さて、ここ数年ですが、境内で火をつけているとお子さんを連れてるお母さんから良く声をかけられるようになりました。大体、このような内容です。
「すみません、子供が火を見たことがないので見学しても良いですか?」
最近、自宅の庭で燃やすことが無くなりました。そしてオール電化の住宅が主流になる中で、家庭で火を見る機会が失われているんでしょうね。ちょっと驚きました。
「火って暖かいんだねぇ」
とか
「火って熱いんだねぇ」
と言ったら
「火傷するからさわっちゃダメよ」
とか。
そんなときのお子さんとお母さんの台詞です。私は子供の頃からの実際の経験の中で親に叱られながらやってはいけないもの、危ないもの、行っては行けない場所、言ってはならないこと等を覚えていったと記憶しています。今、このような時代の中で誤解があるかもしれませんが、子供がそのような経験をする場を失っているんだなと感じる一幕でした。火の有り難さと恐ろしさ。自然のものは表裏一体です。
私の子供の頃は夏祭りなんて子供会の強制参加事業でした(笑)5年生になり夏が来ると夜、公民館に集められてひょっとこの練習。拒否権無し(笑)そして、人前で踊らされる。踊り方は教えてくれない。当時は夜でも大人の付き添いなんてありませんからね。練習は子供だけの世界です。恥ずかしいんですよね。当時は正直言って嫌なんですよ。でも練習後のジュースが美味しい。そしていつの間にか踊れるようになっている。そしてそれがまた楽しい。今に繋がっていく。今でも同級生と飲んでるとその話は出てきますよね。あの先輩、酷かったよな!なんてね。しかし今の時代だとそれは子供の人権無視なるんでしょうね。虐待と呼ばれるのかもしれません。今の時代は子供会も自由参加ですしね。時代の流れです。
最近、テレビでは躾と虐待の狭間をコメンテーター達が大人の顔で大人の論理で議論していました。きっと子供達は大人の角度で計られながら様々な経験をする場所が失われていくんだろうと思います。それが良いことなのか悪いことなのか。もちろん暴力はいけませんが。
楽しい経験だけで生きていく。そんなの無理だろうに。楽しいは時に楽(らく)になってしまう。
火の有り難さと恐ろしさ。自然のものは表裏一体。
人生の楽と苦。人の感情も表裏一体。
私は子供の頃の経験が今に生きています。
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