この写真は、2年前に奈良に行ったときに平城京跡に展示されている高御座の写真です。
10月22日に即位礼正殿の儀が行われました。新しい令和の時代を迎え誠に喜ばしい限りです。
5月1日に天皇陛下が践祚されて10月22日に即位されました。難しいことはさておいて分かりやすく説明したいと思います。
践祚と即位
践祚
皇太子、皇嗣などが天皇の位につかれることを践祚といいます。践祚は皇位を践むという意味で天皇が皇位につかれた事実を言います。践祚の式には
剣璽等承継の儀
天皇陛下が御位につかれることを「践祚せんそ」といいます。皇位は一日たりとも空白があってはなりません。皇位につかれた陛下は、「三種の神器」をはじめとした皇室に由緒ある品々や天皇陛下の印である「御璽ぎょじ」、日本国の印である「国璽こくじ」を継承されます。三種の神器とは、歴代天皇に皇位のしるしとして継承されてきた八咫鏡やたのかがみ・天叢雲剣あめのむらくものつるぎ(草薙剣くさなぎのつるぎ)・八坂瓊曲玉やさかにのまがたまのことです。
賢所の儀・皇霊殿神殿に奉告の儀
「剣璽」が承継されるのと時を同じくして、宮中三殿では新帝が御位につかれた旨を天照大御神(賢所)、歴代天皇と皇族の御霊(皇霊殿)、天神地祇(神殿)に奉告されます。
即位後朝見の儀
その後、皇居では「即位後朝見の儀」が執り行われ、陛下は内閣総理大臣ほか三権の長、地方自治体の代表などを御前に召されて皇位につかれた旨を宣言されます。
※以上神社本庁HPより転載
即位
即位とは、践祚した後に天皇の位についたことを内外に宣明(分かりやすくいうと知らせることかな)ことです。テレビでも放映されていましたが、即位礼正殿の儀ではこのようなおことばで
さきに,日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い,即位を内外に宣明いたします。
上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間,常に国民の幸せと世界の平和を願われ,いかなる時も国民と苦楽を共にされながら,その御み心を御自身のお姿でお示しになってきたことに,改めて深く思いを致し,ここに,国民の幸せと世界の平和を常に願い,国民に寄り添いながら,憲法にのっとり,日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。
国民の叡智えいちとたゆみない努力によって,我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和,人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。※宮内庁HPより
というおことばで宣明されていました。
即位礼では
賢所に期日奉告の儀
即位礼、大嘗祭の期日が正式に定められると、天皇陛下は親みずから宮中の賢所でその旨を御奉告されます。陛下は、天皇にのみ使用される黄櫨染御袍こうろぜんのごほうの御束帯おんそくたいをお召しになられ、剣璽とともに進まれます。そして、賢所に続き、皇霊殿、神殿においても同様に御奉告をされます。
即位礼当日賢所大前の儀
即位礼当日、天皇陛下は賢所で即位の旨を御奉告されます。陛下は純白の御束帯をお召しになられ、お祭りを執り行われます。昭和の御代替りでは京都で即位礼が行われたことから、賢所もまた京都の春興殿しゅんこうでんに遷され斎行されました。
即位礼正殿の儀
皇位につかれた天皇陛下がその即位を全国の国民、諸外国に対し高らかに宣明します。儀式の執り行われる皇居正殿松の間の中央には天皇陛下が登られる高御座たかみくらが、その脇には皇后陛下が登られる御帳台みちょうだいが据えられ、さらに正殿の中庭には、数々の「旛ばん」と呼ばれる仗旗が色鮮やかに林立し、弓や太刀などを手に古からの装束に身を包んだ参役者、供奉員らが整然と控えます。
黄櫨染御袍の御束帯をお召しになられた天皇陛下は、高御座に登られ、国民の代表である内閣総理大臣を前にして即位に際してのおことばを述べられます。これに奉答して内閣総理大臣は陛下へ御祝の言葉(寿詞よごと)を奏上するとともに、萬歳を三唱し、国民挙げて陛下の御即位を奉祝するのです。
※神社本庁HPより転載
つまりは践祚は天皇の位についた事実を言い、即位は践祚したことを内外に宣明したことを言う。
即位礼正殿の儀の当日、天気が回復し、虹が架かっていました。天皇晴れを目の当たりにして、悠久から守られている日本の伝統の素晴らしさを改めて感じました。
11月10日は祝賀御列の儀があります。新しい令和の時代をお祝いしましょう。
さて、次は譲位と退位の話しをしたいと思います。
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