一本の電話
私の話を聞きたいとの連絡を受けた。お目にかかるのは二度目になる。話の内容は守谷の祇園祭がどのように運営されているか?過去の状況から現在に至るまでの話しなど。そして文化財のことだ。
聞けば県内でも有名な祇園祭を行っている神社の総代だ。やはり祭礼を行うことが難しくなっているらしい。人手不足、祭礼意義への理解不足、その他様々な問題点があり、将来の祭礼斎行に大変な不安があるとのこと。それで近年、注目を受けている当社の祇園について話聞きにいらっしゃったわけで。
守谷の祇園祭は難しい時期があったのか?との問いに私は守谷駅周辺開発に伴う氏子の大幅な減少、それにより資金、人手不足、最終的には祭礼規模の縮小へ進んでいった話をしました。私は前回の記事の内容を話しました。
私がこれまで氏子さんと一体となって行ってきた事業はこのようなものです。お祭りは気持ちと資金を両立させなければなりません。これからは氏子さんの寄進だけではなく様々な努力で運営資金を集めることが求められると思います。そのうちの一つが奉納提灯事業などです。
みたいな話しもしました。
なるほど、なるほど、と私の話を聞いて下さりました。ただ、一つだけ気になる話がありました。
祇園祭を文化財にして何とか守っていけるように町へ働きかける
その話しを伺ったときに、年下で大変恐縮ですが私なりに厳しい意見をお話しいたしました。
文化財になることでお祭りが守られるわけではないことです。お祭りは氏子が守ります。行政が守るわけではありません。いま、氏子の意思疎通が上手に進まないならば文化財にしてもそれは延命にしかならないと思います。祭礼全ての行事を文化財に指定する事は余り例がなく大変な事業になると思います。守谷市でもなかなか大変な事業となりました。行政の判断によっては祇園祭を文化財に出来るかもしれません。ですが、結局の所は氏子の総意、理解をもって活動しなければ文化財事業も厳しい局面を迎えることになると思いますと。
生意気でごめんなさい。
後は地元の宮司さんも先頭に立って活動されるようにお願いした方が良いと思います。言挙げせずの神道では宮司は余り発言することが無いこともしばしばありますが、核家族化が進んで祭礼の意味を伝えにくくなった今は、特殊な知識を持つ宮司が先頭に立たないと文化財事業もスムーズには行かないと思います。
別に宮司が発言力があるとか言ってるわけじゃありません。宮司と言う立場は影響力があります。村の鎮守様の様な地域の神社ではそのような方も率先してお祭りの保護活動を行う時代だと思います。
文化財になることは素晴らしいことだと思いますが、本当の意味でお祭りを守ろうとするならば文化財にする前に原点に立ち返ってお祭りを行い、氏子の総意と熱意を以て文化財に申請しなければならないと思います。
お祭りは一人の情熱で動くようなものではないんですから。
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