就任予定神社への挨拶回り
後任宮司の話し合いが終わり、就任予定の神社総代へ挨拶回りに行くことになった。兼務神社の宮司に就任するにはまず本務神社の責任役員に了承を得なければならない。前回、私は八坂神社の宮司に就任することが認められたので晴れて八社の兼務神社へ報告に行くこととなった。その際には宮司のお嬢様にもお付き添いいただてご挨拶となった。本当に有り難いことでした。
ある神社へ行ったときのこと、生前に宮司が私ではない別の方を宮司にすると言った神社へ挨拶に行った時だった。
私は、さて、どうなるかな?と思いながら挨拶に伺ったんだが…
この度、宮司に就任することになった下村です
あれ?○○さんじゃなかったの?
支部で色々と話し合いをした結果、地域の人間が宮司になるのが好ましいと言うことになりました
さて、どのような返答が来るだろうか…
そうだよな。おかしいと思ったんだよ。地元にいるのにさ。地元の人の方が近くて良いよ。その方が書類の提出も助かるしさ。
という話で。
良かった。内心どうなるかと思いながら挨拶に行ったけれど問題なかった。
そんなこんなで挨拶回りは無事に終わったんだ。そして、守谷のもう一人の宮司さんに挨拶に行ったときのこと…
苦笑い
各神社への挨拶回りが全て終わり、就任に向けての事務作業も終えて申請書は神社庁に提出し、後は辞令を待つだけになった。そのことをお世話になった守谷のもう一人の宮司さんに挨拶もかねて報告に行ったときのことだった。
もう苦笑いしか無かった。
おかげさまで挨拶回りも終わり、神社庁に書類関係も申請しました。色々と有り難うございました。
下村さん、これから頑張ってくれよ。俺も年だから若い人に頑張ってもらわないと。ところで神社庁に下村さんを宮司にしないでほしいって言う電話があったらしいよ。なんでも、下村さんを宮司にすると下村親子に神社を私物化されてメチャクチャにされるから宮司にしないでくれって言う内容らしい。
そうですか、大体誰が電話したかは分かります。
まぁ、あいつだろうな。そういうことを平気でやるからな。
そうでしょうね。申し訳ないです。
下村さん、この仕事をすると言われのないことを沢山言われるんだよ。俺だって経験あるよ。
はい、良く分かっています。肝に銘じておきます。
辺りが薄暗くなった頃、私は自宅へ戻る車中だった。
神社庁に電話しておくか…
ふと思い立った私は車をロックシティに止めて神社庁に電話を入れた。
さっき、話を聞いたんだけれども迷惑かけて申し訳ないね。
そのような電話がありましたがもう宮司の具申書を神社本庁に送ったので無理ですって言っておきました。
…さすがこのような事案に慣れてますな(苦笑)
さて、自分が全て正しいなんて思っちゃいない。いないけど、こう全否定されると心も折れるよね。そして、こういう人達は私に直接言うわけでもなく世間に広げようとしてくる。建設的じゃない。でも応援してくれる方々も大勢いる。それはいまでも変わらない。色々言われることは今でもあるけれど応援してくれる人がいるから何とか出来るんだ。飲みながら笑顔でときには真剣に話しかけてくれる氏子の皆さんに何度救われていることか。
八坂神社はここ数年で整備されました。参拝者も20年前に比べれば相当増えたと思います。氏子の皆さんと一緒に飲みながら宮司が常駐するようになったからだよと多くの方々がおっしゃって下さります。本当に有り難う御座います。その言葉に今までやってきたことがそれなりに間違いなかったんだろうと勝手に解釈して自分自身が救われています。ただ、これだけは言っておきたいのは村の鎮守様のような小さな神社は宮司の努力だけで社頭の繁栄はあり得ません。氏子の理解と協力があって初めて成り立ちます。氏子に喜んでもらえることを行う、これが私の判断の基準です。
自分が宮司でいられることは、世間の方々の多数が認めてくれ応援してくれているからなんだと思う。でも、反対する方々の意見も貴重なんだ。それは条件付き賛成なんだと思っている。どこをどうすればいいんでしょう?と聞くようにしている。それは自分に与えられた課題なんだと思っている。だから、条件をどうクリアするかを考える事でより大きく前に進めると思うんだ。
で、何を言ってもダメだダメだの一点張りのときは?それはただ単に僕のことが嫌いな人なんでしょうな。そんな方がきっと電話をするんでしょう。
この記事へのコメントはありません。