結果を報告に
神職同士での決着はついた。私は守谷市内の9社の神社を預かることになった。とは言ってもそれはあくまでも神職同士の話し合いだけであって、本当に必要なのは責任役員の判子である。判子を押してもらえなければ、氏子に認めてもらえなければ宮司には就任できない。
実務的に宮司以外の役職、つまり禰宜、権禰宜、出社などは宮司の裁量で出来うる。なので私も禰宜という立場で奉職する際には、もちろん宮司は氏子には私の事を話はしたが宮司の権限で登録できるので多少の反対があったとしても奉職することはできる。でも今回は違う。宮司は会社で言えば代表取締役、法人に対して大きな権限が与えられ大きな責任を担うことになる。地域で守ってきた財産を預かる立場になるんだ。社家ではない人が地域に入って宮司になれるかどうかはここが最大の試練だろうね。この前も電話でブログを見て地域の神社の宮司になるにはどうしたらいいですか?問い合わせが来たけれど、厳しいですよと話をした。だって地域の人は何処の馬の骨かわからない人に大切な神社を預けたいとは思わないでしょ?
私は先ず総代長の元へ向かい会議の結果を報告した。私は事前に総代長に神職同士での話し合いが行われる事を伝えていた。その話し合いを結果をもって今後の話を進めることになっていた。
私「先日、神職同士で集まって宮司が担当していた神社をどの様に管理するか話し合いが行われました。そして、守谷地区は私が担当させていただくことになりました。」
総代長「それは良かったです。よろしくお願いします。」
私「早速手続きに入りたいところですが、先ずは責任役員会を開いて責任役員の承諾と印をいただき神社本庁に申請しなければなりません。」
総代長「出来れば氏子の総意として下村さんを推挙したいから責任役員会という形ではなく、総代会で決めたいと思います。」
私「全てお任せいたします。こちらの都合ですが申し訳ありませんが、兼務神社の宮司に就任するには本務神社の責任役員の了承が必要となります。皆さんのご都合もあるでしょうが、先ずは八坂神社の方で早めに結論を出していただくと助かります。兼務神社の総代さんにも報告をしなければなりませんので。」
総代長「分かりました。」
私「よろしくお願いします。」
総代長「…下村さん、早急に総代会を召集します。ただ、下村さんはその席に出席しない方が良い。」
その一言が何を意味するかは分かっている。
私「全てお任せいたします。よろしくお願いいたします。」
そして、私のいない所で私の処遇を決める会議が行われることになった。別れ際、総代長は私にこう言った。
総代長「下村さん、必ず話をまとめて宮司に就任できるようにはかりますから安心してください。」
と。
そして後日、その話し合いは行われた。
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