5人の恩人
私は今も昔も多くの方々に支えられて今の仕事をしている。多くの方々が私にとって恩人だ。その中でも私を宮司が宮司になるときに助けてくれた方々の話だ。
もちろん、1人目は私を推薦してくれた宮司。宮司がいなかったら今の私は存在しない。色々な事も教えてくれた。行き違いはあったかもしれないがそれは関係ない。一番の恩人は間違いなく私を推薦してくれた宮司である。
2人目は研修の時に色々と教えてくれた一言主神社の方々だ。研修の時に神社経営というものを教えて頂いた。自分が朧気に考えていた事が間違ってはいなかったんだなと教えていただいた。それは今でも私の基礎となっている。収入が無いときに助勤させていただいた。みんな私の愚痴にも付き合って下さいまして…
3人目は当時の総代長だ。40歳近く年齢が違うのにもかかわらず、私の話に耳を傾けて下さって時に後押しして下さり、時にアドバイスをして下さり、私が判断を間違えそうなときには必ずソッと耳打ちして私を導いて下さった。これから記事にしようと思っている私が宮司になるときに行われた氏子の会議の時に私に言って下さった言葉は忘れない。
4人目は当時一番若かった総代さんだ。竹を割ったような性格の総代さんは常に俺は下村さんを応援するよと言って下さった。本当だったら言いにくいような事を年長の総代に向かって言って下さった。それは私が宮司になるときに行われた氏子会議でも変わらなかった。年上の総代相手に私が宮司になるように喧嘩腰で意見を言って下さったらしい。
そして5人目。今回はその方の話をしたい。この方がいなかったら私は間違いなく宮司に就任していない。
私の神社と同じ名前を持つ神社の宮司さん
私はある神社に足を運んだ。今度行われるであろう宮司の後任を決める会議について話をしないといけないと思っていたからだ。本来であれば民社なんかでは後任宮司を決める神職会議なんて言うのはないだろう。すぐに息子が後任になるのが一般的だ。だが、今回はちょっと事情が違うんだ。宮司には明確な後継者はいなかった。
神社に代表役員宮司が就任していない場合、宗教法人格の取り消し要因になってしまう。それは本務でも兼務でも同じだ。なので、代表役員が不在になった場合には速やかに新しい代表役員を選出しなければならない。そのためには先ず神職が話し合いの席を設けなければならないと思っていた。私は自分の考えを言う場はそこしかないと思っていた。
また、そこでしっかりと話をまとめないと私を支援して下さっている守谷市内の兼務神社の総代さん方とトラブルになりかねないと思っていた。ある神社では下村さんじゃなかったら突っぱねるよとも言ってくれていた。その分、スムーズに話を進めるには神職会議でしっかりと決めなければと思っていた。
私はこれまでの話、自分が思っていること、これからのこと、貴重な時間を頂いて沢山の話を聞いてもらった。
「下村君、話は分かったよ。私は君を応援するよ。」
本当に沢山の話をさせてもらった。ここには書き切れない。迷惑をかけてしまうので上の一言でもう十分とさせてもらいたい。ただただ、その一言が有り難かった。私の神社と同じ名前を持つ神社の宮司さんには今でも生意気な私の話を聞いてもらっている。私は宮司は対等な立場で話すべきだと考えているので支部では年齢や性別に関係なく発言させてもらっている。私の神社と同じ名前を持つ神社の宮司さんには迷惑をかけてしまっていると思う。でも、恩は忘れていません。生意気な私ですがこれからも宜しくお願いします。
ほどなく、神職が集まっての会議が決まった。議題は30社ある宮司の神社をどうやって管理するか。集まるのは支部の神職全員ではない。宮司が管理していた取手、守谷、藤代地区の宮司3人と禰宜では私一人、その他に亡くなった宮司の奥様とお嬢様と親族の神職だ。
私にとっては人生の大勝負だったと思う。初めての自己主張だった。
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