私が宮司になるときに

私が宮司になるときに ⑧宮司は神様が選ぶのか?それとも人間が選ぶのか?

宮司は神様が選ぶのか?それとも人間が選ぶのか?

先日、宮司の地位は遺言できるのかと言う記事を投稿しました。

私が宮司になるときに ⑤そもそも宮司の地位は遺言できるのか

私は法律上、神社の代表役員宮司は責任役員会で選任されるものと考えているので神社の代表役員の地位を遺言で残すことはできない。その行為自体が神社の私物化であり適正な宗教法人の運営とは思えないと述べました。もちろん、世襲的な代表役員の変更は社家と氏子の長年にわたる信頼があって成り立つものであり、それ自体は遺言でどうのこうのでは無いと思っています。

今は削除されているようですけれど、ツイッターでこんな返事がどこかの神職さんから来まして、

「宮司は神に選ばれる」

と言う内容でした。あーなんだか達観しているというか、運命論者というか、宿命論者というか、とても視点が大きな所から観ている方なんだなと思いました。私の視点が狭いのかな?

このレスが来たときに頭の中に仕舞っておいたある出来事がパーンと思い出されました。

ある神社の祭礼に助勤に行ったときの出来事。まだ私が宮司になる前の話。その祭礼には学生が助勤に来ていました。先輩、後輩、大体8名くらいの学生がいたでしょうか?後輩が何か失敗したらしい。リーダー格の学生がその子達を正座させて説教している。

こんな感じの説教をしていました。

「俺たちは選ばれた人間なんだ。しっかりやれ」
「掃除などは用務員がやれば良いんだ。俺たちはもっと崇高な使命があるだろう」


なんて感じでね。

横で聞いていて正直ムッとしました。人様の神社なのでトラブルは御法度。でもうちの神社にいたら今の私なら帰れって言ってるだろうな。聞けばその子は社家じゃ無いらしい。神に選ばれたんじゃ無くて自分で神職になりたくて受験で合格したから神職になるための勉強してるんじゃないのかって思いました。それに清掃は神職の大切な仕事だしね。聞けば結局は神職にはならなかったそうで。彼風に言えば神に選ばれなかったのかな?

で、また出てきたこの言葉。神に選ばれる。何だろうか。私はリアリスト。現実主義者なので神に選ばれるって響きがピンとこない。宗教は一神教と多神教があり、GOD(一神教)=日本の神様(多神教)じゃ無い。どちらかというとそれって一神教的な考えを持っての運命論じゃ無いかなって思ってしまう。うん、でも難しいな。自然災害なんかがあるとこれも運命なのかなって思ってしまうし、物事に失敗すれば努力が足りないんだろうって思うし、やっぱりこの手の話はもう答えなんか出ないような気がするな。経験、年齢、色んな要素が絡み合って変わっていくものなんだろう。自分を言い聞かせるように。

色んな考え方があって良いと思う。神が選ぼうが人が選ぼうが。思想的なものだし。でもね、運命論、宿命論って人間の力じゃどうすることも出来ないって考え方なんだよね。考えが行き着くと努力って言葉が寂しくなる。努力が必ず報われるなんて言うのはありえないけれど、報われるものは全て努力をしている人間であろうと思いたい。私はまだまだ、完全な運命論や宿命論にまでは行き着けないなぁ。

私は宮司になるときに間違いなく人に選ばれたと思っている。社家で無い私は長年にわたり地域の方々や神職さん達に私の人となりを見られて、神社での仕事ぶりを見られて、それを踏まえて人間が会議を開いて私を宮司として選任するかどうか長時間にわたって討論したわけだから。社家生まれて宮司職がほぼ約束されているような環境だと運命論者の様な考え方になるのかもしれないね。この家に生まれたのは運命だなんてね。

私は現実主義。宮司は地域の方に任せたよって言ってもらってからなるものだと思ってる。俗な部分で代表役員宮司を選任してもらった後に宮司として聖なる仕事に向き合います。世間はどのように捉えているか分からないけれど、宮司と代表役員の職務は別。聖と俗の仕事をしっかり分別して物事を捉えなければならないと私は考えている。代表役員選任は俗な部分。でもそれをしなければ宮司にはなれません。その会議を人がなしているのか神がなしているかはその人の考え方、思想なのでしょう。

私は現実主義者。なので、これからブログの中で人間が決める宮司を選任する会議に臨みます。

3+

ピックアップ記事

  1. 自分の御朱印ルールで八岐大蛇御朱印が出来るまで
  2. ブログを始めました
  3. 一般人が神職になるということは〜投稿一覧
  4. BSテレビ東京の『発見!ローカル線聞き込み発見旅』で紹介されます。
  5. 一般人が宮司になるまで ㉘思い出したくもない結婚式

関連記事

  1. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに ⑪私を宮司にしてくれた5人の恩人

    5人の恩人私は今も昔も多くの方々に支えられて今の仕事をしている。多くの…

  2. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに ⑬しかし、まぁ、すっかり、嫌われたんだな

    後任宮司を決めるときあの時のことを振り返ってみよう。変な比喩も無く…

  3. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに ※大切なことです。本編の前にお読み下さい

    どうしようか悩んだけれどここ数日、パソコンを眺めてはどのように文章…

  4. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに ①言ってはいけない事、それは許されざる事

    何度も聞かされたうんざりする言葉私は平成20年を迎えるまでに何度か…

  5. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに ⑥宮司の死

    私の行き先は何処へそれからわずか2日。私の携帯に連絡があった。…

  6. 私が宮司になるときに

    私が宮司になるときに〜投稿一覧

    私が宮司になるときにまでの投稿をまとめました。一般人が宮司になるまでを…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

ピックアップ

  1. 一般人が宮司になるまで ㉘思い出したくもない結婚式
  2. 一般人が神職になるということは ⑧忘れられない風景と言葉
  3. ブログを始めました
  4. 最近の御朱印ブームに思うこと
  5. 一般人が宮司になるまで ⑤噛み合わない話し合い

アーカイブ

  1. 一般人が宮司になるまで

    一般人が宮司になるまで ㉛これまでを振り返ってみれば
  2. 健康

    痩せた
  3. コラム

    ブログを始めました
  4. コラム

    神職の階級(中堅神職研修を受講して)
  5. 一般人が神職になるということは

    一般人が神職になるということは ⑧忘れられない風景と言葉
PAGE TOP