もう十年くらい前の話だろうか?
私は友人に頼まれてトラック配送の助手のバイトを頼まれたことがある。目的地は栃木の大学だったと思う。冷蔵庫やショーケースのなどの荷物の受け取りをして茨城まで運ぶ仕事で。
友人「乗っているだけで大丈夫ですから」
私「じゃいいよ」
と言うわけで、気分転換になるかと思い安請け合いをしてしまったわけで。目的地は大田原。那須与一をお祀りする神社の横を通り、おそばを食べて目的地へと向かう。
到着するなり現地の方から
現地の人「じゃーこれ解体して」
友人「分かりました」
私「???」
…話が違ってきたぞ。
久しく神社以外で働いていなかった私には久しぶりに新鮮な気持ちになりましたよ。人に雇われるって言うことが久しく無かったので。次々に飛んでくる作業指示。
「あんちゃん、これバラして」
「あんちゃん、これ運んで!」
私「ハイ!」
友人「良い返事っすね!」
私「話が違うぞ」
友人「…」
3時間くらい荷物の搬入をしていただろうか。正直、クタクタだ。お茶を飲みながら現地の人から
現地の人「あんちゃん、働くなぁ」
私「ありがとうございます!」
で、茨城に向かう。3時間くらいの移動時間だろうか?帰りのトラックの中でずーーーっと愚痴る。
私「話が違うぞ」
友人「そんなこともありますよ」
私「乗ってるだけで良いって言ってたのに話が違うぞ」
友人「…」
騙された…
そんなことを思いながら、口にしながら茨城へと向かう。
現地に着いたら積んだものを下ろす作業だ。これがまた量が多い。
私「話が違うぞ」
友人「…」
やっと仕事が終わった。
倉庫会社の社長が言う。
社長「あんちゃん、よく働くな〜普段は何してるの?」
友人「守谷の神社の宮司さんです」
社長「!?そうですか。お疲れ様でした!」
何でかな〜?職業柄、身分がばれるとそんな雰囲気になってしまうことがある。なので1日私の職業については明かさずにバイトをしていたわけで。
でも、神社だけで一人で働いていると忘れてしまうこともある。人にあれしろこれしろと指示をされながら働く経験がどんどんどんどん無くなってしまっていた。むしろ指示をする側になっているので。なので、この時にいただいた一万円のアルバイト代は色々と思い出させてもらった良い思い出だ。
良い思い出だ…でも騙された。

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