その時、同級生に呼ばれて
こっちに来てみなよ!
同級生が私の妻が一緒になって私を呼んでいる。なんだ?と思ってそちらに足を傾けると見たこともない風景が目に飛び込んできた。

太陽が鳥居の真ん中に来ていた。18年間、八坂神社に勤めていたけれど見たこともない風景。いままで気がつかなかった。いや、気がつけなかったんだ。今、八坂神社の周辺では道路の開発で近隣の方々が立ち退きを始めている。お向かいの方も昨年立ち退いた。そうしたらこのような風景が生まれた。今まで気が付けなかったんだ。こんな風景があるなんて。そして後ろを振り返る。
光が差している。本殿のご神体の方へ向けて。参道だけが輝いている。何とも言えない風景が言葉にならないほどに美しい。総代さん達に教えたら何人かが見たいと後日集まってきた。みんな、その風景に手を合わせていた。写真よりもやはりこの目で見た方が美しい。
18年間、ずっと疑問に思っていたこと
ずっと思っていたんだ。なんで八坂神社は西向きなんだろう?そして土盛りをして建てられているんだろう?って。道路があるからか?場所が空いていたからか?400年前の事は今更分からない。疑問に思っていたって答えなんか出るわけでもなく何時しか深く考えるのを止めていた。
でも、きっとこれだったんだと思う。古の人達はこの風景を知っていたんだと思う。そうでなければ元日の日の入りに鳥居の真ん中に来るように神社が建立されているなんて有り得ないでしょう?きっと計算されて八坂神社は建てられていたんだと思ったときに心の中のモヤモヤがスーッと消えていた。
ここ数日、夕日が沈むのを妻や総代や近所の人達と眺めている。何度見ても美しい。
ただただ古の人達へありがとう。
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