何度も聞かされたうんざりする言葉
私は平成20年を迎えるまでに何度か聞かされた言葉がある。そしてその言葉は平成21年に私が宮司に就任する際まで繋がっていく。
私にはうんざりする言葉だった。
宮司の関係者である神職さんがいた。私が八坂神社の禰宜に就任したときには宮司のホ○ム関係する神社で神職をしていた。宮司になりたかったのかな?何年も何度も聞かされる。もううんざりする台詞だ。
ある神職さん「もう年齢も年齢だからすぐに俺たちの時代が来るから」
……ホントにどうでも良い。そんなことを私に言わないでくれ。俺たちって勝手に巻き込まないでほしい。別にそんなものは待っていない。大体、口が軽すぎる。そんな事は思っていても人に言わない方が良い。こんな事に下手にうなずいていたら私まで世間から一緒くたにされてしまう。
私「そんな気持ちはありません。私はまだまだ未熟ですから。」
こんなこともあった。あれは神職の懇親会の席、レイクサイド茎崎での宴会の席でだ。当時、守谷市には大先輩の宮司さんがいらっしゃいまして、お酒が進むなか、その神職さんは守谷市の宮司さんに向かってとんでもないことを言い出した。
ある神職さん「○○宮司!もう年齢的に大変だろうから、そろそろ神社を下村さんに渡したらどうだ?」
何言ってんだ急に?自分の願望を私の名前を使って言わないでほしい。そんなことを言ったら私が普段からそんな事を言ってると思われるだろう?うちの宮司だって面白く思うわけがない。私を出しに使って自分が思っていることを言わないでほしい。みんなプライドを持って仕事をしているんだ。それを他人から辞めたらなんて言われたら誰だってムッとするだろう。案の定、守谷市の宮司さんはムッとした表情で返答する。
守谷市の宮司さん「ダメだ」
そう答えるのは当たり前で。出しに使われるまでになって本当にうんざりした。あなたは私より何歳上なんだよ。25も年上だろう?あ、だからか。ずるいよね。宮司になりたいのなら自分を磨き、氏子に認められ、神明に奉仕するのが一番の近道じゃないのかね?人の死を待つような事を言ったり、誰かを出しに使ったりでどうしようもない。
どんな状況、環境に置かれようとも言ってはいけない事ってあるだろう?私は世間の人が聞いても許されざる事じゃないかと思う。もちろん、私は許せなかったな。
この話が最後の最後でさ
そしてこの話は宮司が危篤になったときに続いていく。だから覚えておいてほしいんだ。今でも思い出したくない記憶。いきなり部屋に呼び出されて告げられた言葉。今この時に?私は18年間、神職として奉仕していて2度、同業者に対して本当に怒りを覚えたことがある。そのうちのひとつがこれだ。宮司になるときに体験したんだ。
陰口は嫌い
私は同業者に対しては相手が年上だろうが年下だろうが、社家だろうが社家じゃなかろうが、男性だろうが女性だろうが、その時の自分のポジション、役職を考えて意見を言わなければならないときにはしっかりと意見を言わせていただいている。だって同じ神職であり宮司だからね。年齢なんて関係ない。遠慮する意味がない。私は社家じゃないので特に気を遣うこともない。後からグチグチ言ったり陰でコソコソ言ったりは何の意味もない。本当に言いたいことはお酒を飲まず、面と向かって話さなければ意味がない。でも、それらは怒りをもって話すことはない。それは意見の相違から生まれる意見交換であって前向きな話し合いだと思っている。でもね、この世界じゃ会社のような感覚が通用しないこともあるのは実感したなぁ。
で、私は神職人生18年間で2度本当に怒りを覚えた事がありましたが、25年上でも女性でもしっかりと一神職としてその立場から一対一で話をさせてもらっています。しっかりとね。
この社家という場所は素晴らしさを感じると同時に時に不思議に感じる事もある。私は自分の感覚で本当に?と感じたときには遠慮なく意見を言わせていただいている。故に私に良い感情をもたない同業者もいると思う。その反面、私は腹を割って話すことができる、そんな私を理解してくれる同業者もいる。有り難いことだ。そんな人たちに何度助けられたことか。
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