佐々木君、ブログを見てくれてるんだってね。ありがとう。寒いとは思うけど頑張ってね。
指定神社実習
さて、正階の資格を取得すると次に指定神社での実習が30日間控えている。私は常総市に鎮座する一言主神社さんにお世話になりました。これには裏話があって、本当は筑波山神社で実習する事になっていた。國學院から帰ってきたら宮司がこう言うのです。
「下村くん、実習は筑波山神社にお願いするから」
…イヤイヤそれは勘弁して欲しかった。神社が嫌という訳じゃなくて近くに指定神社が沢山ある訳ですよ。一言主神社さん龍ヶ崎の八坂神社さんなどなど。筑波山じゃ通うのに1時間はかかるし、ガソリン代はかかるし、どんな実習か分からないし、またレオパレスか?なんて頭をよぎる訳で。正直、もうお金がなくなってきているわけですよ。1年近く定職につけない訳ですから。その上で二度も学校に通ったり、アパート借りたり、備品を買ったりでもう100万円位の出費になっている訳です。いざ、八坂神社で働こうと思ったときには道具を買ったり諸々とお金がかかる訳でこれ以上出費すると設備投資ができなくなる。
「家から近いので一言主神社さんにお世話になりたいです。お願いします」
という事で一言主神社さんにお世話になる事になりました。家から20分位で通えます。
実習前、今でも覚えています。スーツを着て将門煎餅を持って挨拶に伺いました。女性の神職さんに宮司室に案内されました。子供の頃に婆ちゃんに連れられて初詣に来ていた訳で、大人になってからも初詣に来ていた訳で、まさかここで研修を受けるなんてのは不思議な感覚でしかなかったなぁ。
素晴らしかった研修
一言主神社さんでは本当に身になる研修をさせて頂きました。只々感謝です。宮司さん、禰宜さん、権禰宜さん方にはこちらのがっついた質問にも嫌な顔せずに色々とご指導頂きました。私には神職としてやっていく素養が圧倒的に足りなかった。研修でなので作法や祭式など様々なことを教えて頂きましたが、ある日、禰宜さんに
「他にも何か聞きたいことがないの?」
て言って下さって、ここは是非とも聞きたいと思い
「経営を教えて下さい。神職だけでやっていきたいんです」
と厚かましく聞いた訳ですが嫌な顔せず
「いいよ」
と、経費の仕分け表だったり御守りの業者であったり本来なら研修外のことも教えていただきました。私は宮司になるということは経営者になることだと思っていました。國學院大學の教授にも色々と休憩時間に質問をしてしていたっけ。運営や経営など。無人の神社が有人の神社になることに直階の講習後から一抹の不安を覚えるようになっていました。何か意思疎通ができていない…私はこの体験を非常に感謝していまして、その影響もあって現在、私の所に神職で本気でやっていきたいと勉強に来る若手神職には色々と隠さずに教えるようにしています。私は本当に有り難かった。そんな経験を若い人にも紡いでいきたいと思ったからです。
祭の概念が変わった秋の例大祭
一言主神社と言えば秋の例大祭。私は神社のお祭りはお神輿が出るもんだとばかり思っていました。でも、こちらは違った。一日中、花火が上り、夕方になると獅子舞奉納があり、夜になると綱火がある。一種のカルチャーショックである。お祭りって色んな形があるんだなぁと。只々、その地域に根付いた伝統芸能には感動の一言でした。それから各地域の祭について色々勉強するようになりました。定期的に出掛けている神社巡りもその影響があったからです。聞くよりも見て感じる、それが一番の勉強になります。


この30日間は挙げればきりがありません。それくらい沢山のことを教わりました。礼儀や作法以外の事を沢山教わりました。今でも分からない事があったら教わりに伺うことも多々あります。まだまだ未熟ですよ。本当に一言主神社さんでの研修は今の私に繋がる非常に実りあるものでした。
改めてありがとうございました。
そして、研修が終わり、いよいよ私は神職として働く食べていくということに向かって進むことになるわけです。宮司に神職でやって行きたいと伝えるのもこれからです。今思えばそれは道無き道を進むようなものでした。
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