神輿蔵が荒らされた
朝からイヤな知らせだ。神輿蔵が荒らされた。何よりも真っ先に浮かんだのは神輿が無事かという事だ。直ぐにモニターで確認した。どうやら神輿は無事のようだ。ホッとした。
普通は賽銭泥棒というと拝殿正面の賽銭箱を狙うものだけど、今回は執拗に神輿蔵ばかりを荒らしていた。それも20分も。目的は何だったんだろう?神輿を損壊するのが目的だとしたらゾッとする。そんな事件だ。とにかく、地域の財産を狙った許せない行為だよ。
SNSの情報をみてテレビ局の取材も受けました。情報を収集する能力がすごいですね。最近、テレビの取材が多くて慣れてきた自分がちょっと嫌です。
昨年の御朱印帳転売騒動時もテレビ局が取材に来たけれど、その時は神社や御朱印帳の宣伝になるのが嫌で放送前の番組名の公表は控えた。嫌じゃない?そういうのって。今でも一部の同業者から炎上商法とか言われるしさ。そんなつもりは毛頭無くてもさ、一部の同業者からそんな風に言われるのはツライよね。良くない事を良くないって言っただけなのに。でも、今回は事件性があり報道が抑止力になればと思いますのでお知らせします。テレビ朝日系のニュース番組で今回の神輿蔵破壊の件が報道される予定です。このような事件が少しでもなくなりますように心から願います。
賽銭泥棒を捕まえるのは危険と隣り合わせ
さて、ここからが話の本番です。賽銭泥棒、私が禰宜に就任した頃は週に2度くらいは来てたんですよ。大安の日なんかを狙ってね。無人でしたからね。取り放題だったんでしょう。鍵をかければ壊されての繰り返し。盗むのを止めるように賽銭箱の中にメッセージを入れて置いたら賽銭箱ボコボコに壊されたっけ。初めて現場を抑えたときはその数ヶ月後、赤いジャージのイカツイ男。堂々と盗んでたな。声を掛けたらにらまれる。にらみ返す。その時はそれが精一杯だった。
それから、何人もの賽銭泥棒を捕まえた。捕まえて居直る男。ひたすら泣き顔で謝る男(こいつは泣き顔で謝った後にもう一回盗みにきた。反省してなかったんだな)。ダッシュで逃げて行く男、鉄パイプを持って威嚇して来る男。こちらも結講命懸けなんですよ(笑)悪質な4人は110番で警察に突き出した。そのなかでも印象深かったのが二人の犯人。
一人目は鉄パイプの男
まだ2歳ほどの長男を自転車に乗せ神社周辺を散歩していたら、賽銭を盗んでいる中年男を見つけた。通りがかったご近所さん子どもを預けて怒鳴りながら声を掛けたところ鉄パイプを持っていた。両者睨み合いの末、警察官がやって来てくれてあっと言う間に羽交締めにされて確保された。お巡りさんに注意されたなぁ。勇気は讃えますが危険ですから捕まえようとするのはやめて下さいねって。武器を持った人間と対峙した初めてだったから緊張したな。
二人目はダッシュで逃げた男
そいつは、神楽殿に潜んでいた。ある日、神楽殿を掃除しようと扉をあけたら見知らぬ靴が並んでいる。上にあがると若い男が布団を敷いて寝ているのです。??声をかけると寝ぼけてる。服はかけてあるし食べ物はあるしでパーティションは出来てるしで神楽殿が快適居住空間に変わっている。そう、そいつは家出して盗んだ賽銭で暮らしていたんだ。そっと、扉を閉めて警察に電話をする。すると電話の最中のバタンと扉が開き男がダッシュで逃げていく。白衣袴では追い付かないとは思いながらも追いかけたら意外に遅くて追いついちゃった。で捕まえてからが大変で取っ組み合いですよ。もちろん怪我もしたし。まぁ最後は羽交い締めにして捕まえましたが。最後は逮捕されて連行されて行きました。
以前、ある神社で賽銭泥棒を捕まえようとした神職が殺害された事件がありました。宮司職って命懸けなんですよ。
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