一般人が神職になるということは

一般人が神職になるということは ⑦神職は言挙げせず?

直階の資格を取って次に行われる冬の正階講習まで無職だ。

トラックの助手などのバイトもやったなぁ。もちろん、その6ヶ月の間は宮司のお手伝いをさせていただいたわけで、地鎮祭があれば運転手をし、祭壇を設置し、お供え物を供え、終われば後片付けをする。車を運転している間はずっと説教(怒られてるわけじゃなくて)で神道のうんちくを教えてもらう。

いつだったかな?車の中でこんな会話。何かの会話の流れで私は

「そういうことは全然ありますよ!」

と言ったら、宮司は

「下村君、全然は否定の文章に使うものだ」

と注意を受けた。宮司は神社に帰るなり広辞苑で全然という単語を調べていた。すると広辞苑ではこう書いてあった。
『俗な用法で肯定する場合にも用いる』
と…
「いつから広辞苑は若者に媚びるようになったんだ!」
って怒ってたなぁ(笑)

これだけ知識のある宮司だったが私はその6ヶ月間で一番不思議に思っていたことは、宮司は神事の時に話さない、笑わないと言うイメージが出来たと言うことだ。特に地鎮祭なども特に詳しい説明もなく始まる。準備が出来たらはいやりましょうみたいな感じだ。どうしてもこれには違和感を覚えた。

「これって建て主さんは理解して地鎮祭しているのかな?」

サラリーマンをしていた私は地鎮祭で納めて頂く費用に対する満足度がはたしてどうなのか?という疑問を感じるようになった。今からすれば往々にして年配の宮司さんはそう言う方々が多い。それは神道の考え方の一つである『言挙げせず』(分かりやすく言えばいちいち説明しない)という考え方だったんだろう。ただ私はそれだけは理解が出来きなかった。今の若い人にはなかなか難しいと思う。今の自分を構成しているものの一つにこの経験は非常に大きいものがある。私の地鎮祭を経験した方ならご存じだろう。私は必ず地鎮祭の前は細かく趣旨と作法を説明しているからだ。業者さんは毎回同じ話でうんざりしているかもね(笑)でも、建て主さんはおそらく一生に一回だ。納得して理解して喜んでもらい記憶に残して何よりもやってよかったなと言ってもらいたい。

今の時代は宮司も『必要なときには言挙した方がいい』と思うんだ。昔からそうなんだよでは今の世の中は難しい。

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