一般人が宮司になるまで

一般人が宮司になるまで ④全てがねじれていく

ねじれていく2人の関係

私が神職を志すチャンスを与えてくれたのは宮司です。運命というのは分からないものです。この縁がなかったら私はあのままデザイナーをしていたかも知れないし違う職業をしていたかも知れない。宮司さんには良くして頂きました。元教師なので言葉遣いの指導していただいたり、食事をご馳走して頂いたり、狩衣を頂いたり、数え上げればキリがありません。いまの私があるのは宮司の推薦があってのことです。そして、いま私は八坂神社の宮司として奉職しています。この仕事に就けたことを感謝していますし誇りに思っています。それは変わることはありません。

世の中に無駄な事はありません。私を神職に引き揚げてくれた宮司さんとの様々な話し合いも私を紡いでくれた一つのファクトです。神職だけで頑張りたい。その話をしてからは二人はゆっくりとねじれて行きました。もしかしたら師匠と弟子の関係から商売敵に変わってしまったのかも知れません。それは今でも分かりません。40歳年上の宮司との議論は私にとって辛い思い出でしかありません。目的地が違う2人の話し合いに綺麗な着地点はありえませんでした。しかし、なあなあになればその時間分だけ私の人生が消耗してしまいます。私は神職を職業として人生を全うしたかった。もうここまで来たら後には引けない。もし、神職を断念するならもう守谷には住めない。あれだけ多くの人に挨拶して覚悟を持って國學院に行ったんだ。それを辞めてしまったら両親に恥をかかせてしまう。そんな覚悟で話し合いに望んだ。でも最後の最後まで溝が埋まる事はなかった…

宗教法人を運営すること

私は神職一本で頑張りたい。宮司は私を神社運営に過度な干渉をさせたくない。そんな2人の話し合いが始まる。その前に、

ある税理士さんのサイトから転用させて頂いた宗教法人の運営に関する図解です。分かりやすい。本当にそのままです。私は法律に従い責任を持って神社を運営したかった。私は大学で法学部法律学科を専攻していた。お恥ずかしいは話しだが、大学を卒業するときに一度だけと司法書士の試験も受験している。落ちましたけどね。なので法律には少し詳しいことも幸いしました。人生無駄な事はないんだな。図解の通り、代表役員宮司に就任するということ様々な法律を遵守しなければ様々な場面で対応できなくなる場合があります。税務調査などもその一つでしょうね。給料の問題もある。それは自分の給料だけでなく人を雇う場合もある。神職を本業であればやるほど様々な諸問題が起きてくるわけで。私の宮司は神職が本業ではなく学校の先生でした。いわゆる二足の草鞋で神職を奉職された方でした。よく、神職では食べられないとも話していました。でも、私はそれで頑張りたいと思っていた。普通の会社のように帳簿をつけて、お給料を頂いて、税金を納めて、社会保険に入って、労災に入って。じゃないと本業でなんかできない。結婚もできないな。相手に申し訳なくて。と思っていました。

何度も言いますが、氏子総代と私は話し合いはしてはいけない。絡まった糸を引っ張るようなものだ。それは私の仕事ではなく法人を代表する宮司の役目だと思っているので。株主総会だって一社員が出て来て株主に対して会社の経営方針を話すことなんてないでしょう?まして、私が法律の話を持ち出して氏子さん達にこうなんですからなんて話したら、神社そのものの運営を壊してしまうのは容易に想像できる。法律での議論は感情論になりかねない。ただでさえ、私は何人かの総代に乗っ取りだとか不要な人間だとか思われているわけで。私の氏子さん対する仕事は誠心誠意をもって神社に奉仕し、氏子さんに信頼してもらってあぁコイツになら安心して神社を任せてもいいかな?と思ってもらえるように頑張ること。絡まった糸をゆっくりゆっくりと解すように。これだけです。

法律の問題は代表役員で私を雇用している宮司と私の問題です。神職も一労働者です。労働基準法だってあります。そして将来引き継ぐのであれば、本務神社になる八坂神社はこのように運営しないとこのようなことがあるんですよと氏子に説明してもらわなければなりません。宮司が常駐するとなれば今までみたいにお祭りをやるだけでは済まないんですと話して頂かなければなりません。私の人生をかけた本気の話し合いが40歳以上も年上の上司との間で始りました。

辛く厳しく虚しい話し合いが始まります。

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