一般人が宮司になるまで

一般人が宮司になるまで ※大切なことです。本編の前に読んで下さい

これから綴られる事は誰も知らない私だけのお話

本当は墓場まで持っていこうと思っていました。自分の体験や考え方を話すのはあまり好きではありません。お酒を飲むときも愚痴をこぼすより笑って飲んでいたほうが楽しい。なので、これからの話を全てを知る人はいないはずです。妻と結婚する前の話もあるので妻さえ知らないでしょう。もう、当時の役員は誰も居なくなってしまいました。宮司も亡くなってしまいました。あれらの体験はなかなか出来るのもではありませんでした。内容はきっと驚くでしょう。そんな事があるんだなと。一般人が無人の神社の宮司になるということは大変な事なんだなとこれから実感して行きます。自分を美化せず駄目な部分も合わせてできるだけ客観的に綴りたいと思います。

『一般人が宮司になるまで』と銘打ちました。『一般人が宮司になるには』ではありません。なるにはと言う言葉には自分が進んでなりたい様な印象を感じたからです。私は宮司という役職には興味がありませんでした。当時は皆さんと同様に宮司も禰宜も権禰宜も違いなんてわかりませんから。神主になる、それだけでした。正階の資格を取り全てが堰を切ったように全ての問題が流れ出し始めました。昨年くらいから墓場まで持って行こうと思っていたあの記憶を記録という形で自分に残そうと思い始めました。それは自分が自分でない人たちに自分を書き換えられていく、そんな経験をしたからです。それによって傷つけてしまった人たちがいたからです。

『自分が自分でない人たちに自分を書き換えられていく』

そもそもブログを始めた理由は三つ。

一つはあのご朱印帳騒ぎです。
ある全国的新聞社は打ち合わせでは聞いていない見出しで紙面を飾っていました。ワイドショーは当初の打合せとは違ったセンセーショナルな報道をしていました。妻の話だと、父親が出演すると聞いて早起きして放送を観た子供たちは報道を見終わった後にうなだれてお父さんは何か悪い事をしたの?と聞いてきたそうです。子供達を傷つけてしまいました。

二つ目はある社家の親子の話です。
私はある社家の親子を通して社家って一体何なのか?と考える様になりました。一般的な社会人を経験してからこの世界に入った私には理解できない事が多々ありました。よくまぁそんなことができるなと。ブログのタイトルでもある社家じゃない宮司という下りはお察しの通りアンチテーゼみたいなものです。私は良い事も悪い事も宮司としての立場上受け止めなければなりませんが、この出来事を通して妻を傷つけてしまいました。

三つ目は怪文書(これは笑い話ですけど)
仕事から帰るとポストの中に怪文書が投げ込まれていました。内容は神社の運営についてのことだったんですが、また内容が適当というか、何も知らないんだなと言うか、根も葉もないというか、誤字脱字がひどいなと思いながらどうしようもない奴がいるな(まぁ察しはついてるけどね)。でも、人の家に勝手に来てポストにそんな手紙を投げ込まれたら家族はいい気持ちはしませんよね。もし、監視カメラがあって録画してたら捕まっちゃうよ。

ですが、全ては私の責任なんです。Twitterだって私が発信したことです。神社の運営に関しては宮司で代表役員である私には全ての責任があります。ただ、あまりに実際の話とは違いすぎました。『自分が自分でない人たちに自分を書き換えられていく』ならば『私が私であるために』しっかりと伝えようと考えるようになりました。私も『自分の中の自分に負けてしまう』時がありますが自分を真っ直ぐ歩かせるために、先ずは自分が神職になり、宮司になっていく様子を綴り、自分というものを知ってもらってからブログを更新しなければ何か嘘になってしまう様な、ただ自分を美化させてしまう様なそんな気がしました。そんなんじゃ意味がないじゃないか。

全ての方に感謝しているんだ

今の私の全てを構成しているものは今まで出会った方々からの経験で成り立っていると思います。応援してくれた方、激励して下さった方、叱咤して下さった方。怒鳴っていた方、庇ってくれた方、誹謗中傷してくれた方、こっそり逃げ道を作ってくれた方、仕事を回してくださった方、資金援助してくださった方、私をやめさせようとしていた方、私を指導してくれた方、危ないよと教えてくれた方、私を産んでくれた方々、同じ家に住んでいつも笑って見守ってくれている方々。そして推薦してくださった前宮司。鉄は熱いうちに打てと言います。私は真っ直ぐな鉄になったのかな?それとも歪んだ形になってしまったのかな?それは将来、氏子さんに判断してもらおう。この先の神職人生も長いと思うし。

常に心がけていること

私は18年間、常に心がけていることがあります。それは、氏子とは絶対に口論はしないとい言うことです。必ず、相手の話を聞く。そしてこちらの意見も言う。そしてお互いが理解できる様にする。もちろん怒鳴られることもありました。だからと言ってこちらは絶対にムッとはしません。全員、私より年上です。先ず話を聞く。意思を統一できる様に常に話し合う。これが出来無いと若くしてお祭りの規模の大きい民社の宮司は大変だと思います。意思疎通が神社運営の基本だと思います。今年の台風接近の祇園祭でそれが再確認できました。神社も氏子総代も青年会もしっかり意思疎通ができているなと思いました。

その反面、同業者にはしっかりと自分の意見を言います。年齢や性別などは関係ないと思っています。同じ宮司なんですから。ただ、自分なかにルールがあって、自分が言わなければいけない立場、役職である場合に限ってです。なので神社庁などでは大人しいものです。でも、支部ではハッキリと自分の意見を述べさせてもらっています。きっと支部の人は厳しいやつだなと思ってると思いますいよ。でも会社だったらもっと厳しいと思うけどね。神社界の難しいとことは、神社を本業としている人と別の仕事をもっていながら神社をしている人が混在していることで、そんな中での意見統一は難しいことだなと常に感じています。

もし、神職を目指す人がいるなら読んでほしい

この話は、氏子や神職や一般の方々に向けてのものではありません。自分に向けて残してあげようと思い書いていきます。もし読んで欲しい人がいるとするなら社家じゃなく神職になろうとしている方、特に民社の宮司になろうとしてる方に読んでもらえればと思います。もしかしたらこの仕事に対して憧れの気持ちがなくなってしまうかもしれません。これは現実に直面する問題であろうと思います。それでも、それでも神職を志そうと思う人がいれば少しは役に立つと思います。

私が唯一の誇らせていただきたいのは、ここまで来る過程でトラブルによって総代さんは誰一人やめていないと言うことです。神社と総代間でトラブルがあって運営が滞ってしまったお宮をいくつも知っています。もちろん不満があった方も居たと思います。私を知っている人はわかっていると思います。私はとにかくお互いが納得するまで話すと。もしかしたらこれからの記事に神職を目指す方に何らかのヒントがあるかもしれません。

私は、神社界は社家でない方々が多く入ってこなければ将来的に厳しいものになると思っています。しかし、それは非常に困難な道だと思います。國學院に通い資格をとって大きい神社に就職する事は出来るかもしれません。しかし、神社界に必要なのは神職数ではなく、地域に根ざして活動する宮司数だと思います。ですが、それは何かしらの縁がなければほぼ不可能だと思います。私は前任宮司と縁があり現在では宮司として勤めることができています。しかし。地域に縁も無く、宮司とも縁が無く、資格があるから宮司になりたいというのは田舎の神社では無理な話でしょう。でも、神社界を下支えしているのは地域に根付いた宮司であり、その絶対数が足りていないんだ。地域の宮司は本当に大変だけれどやり甲斐はあると思う。お祭りがある度に思う。私は多くの氏子に支えられて今があるわけだから。

一般人が宮司になるまで

と言う様な話を前提としてこれから宮司になるまでの記事を更新して行きます。面白いかどうか分かりませんがお付き合いください。きっと長くなると思います。

最後に、今は氏子さんに相談するたびに背中を押してもらっています。東日本大震災復興事業も文化財申請も神輿の総修理も。神社は宮司だけでどうにかなるものではありません。未熟な私を支えて下さり本当にありがたいです。

『今は風を受けて順風満帆、迷うことなし』

さて、書きますか。

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